その漫画自炊オタクはImageJマクロに恋をする

プログラミングを用いた、自炊漫画の画像処理

解像度を変更するMacro

 

f:id:yu3xx:20200624023300j:plain

 

指定したフォルダ内の、全ての画像をリサイズし、解像度を変更するマクロです。

 

例えば300dpiで取り込んだ画像に対して、Bicubicを用いた補間処理を行い高分解能化させて、擬似的に400dpiで取り込んだような画像を作成することが出来ます。

 

 

//Set_Resolution.txt
//reSize(Bicubic)

//Folder setting
showMessage("Select Open Folder");
openDir = getDirectory("Choose a Directory");
showMessage("Select Save Folder");
saveDir = getDirectory("Choose a Directory");
list = getFileList(openDir);

//Enter matrixSize
reso = getNumber("axis x matrixSize:", reso);

//JPEG quality
quality=90;
run("Input/Output...", "jpeg=quality gif=-1 file=.csv save_column save_row");

//operation
for (i=0; i<list.length;i++){
	open(openDir+list[i]);

	//Progress
	print(i+1,"/",list.length,"...Progress=",floor((i+1)/list.length*10000)/100,"%");

	run("Size...", "width=reso constrain average interpolation=Bicubic");

	name=getTitle();
	dotIndex=lastIndexOf(name,".");
	title=substring(name,0,dotIndex);
	newname = title+".jpg";
	rename(newname);
	saveAs("Jpeg", saveDir+newname);
	close(newname);
}
print("oshimai");

 

 

 

コードの内容

①作業対象となるOpen Folderと保存先のSave Folderを設定。

②解像度を変更するため、x軸方向のピクセル数を入力。y軸方向ピクセル数は、入力したx軸方向ピクセル数に合わせて自動で決定されます。

③フォルダ内の画像を順番に開いていき、画像の解像度を変更する。

④元々と同じファイル名でJPGとして保存。

 

 

高解像度化

例えばジャンプコミックスの場合、300dpiの場合x軸方向ピクセル数は1200程度です。400dpi相当にするには、x軸方向ピクセル数は1600程度にすると良いと思います。

 

あくまで計算で補間しただけなので、なんちゃって高解像度ですが、わりと効果はあると思います。

f:id:yu3xx:20200623224057p:plain

300 dpiでスキャンした画像

 

f:id:yu3xx:20200623224121p:plain

400 dpi相当に補間した画像

画像引用:幸村誠, ヴィンランド・サガ, 第17巻, 68ページ, 講談社, 2016
 

 クリックするとAmazon商品ページ

 

 

逆に解像度を低くすることのメリット

私の使っているスキャナEPSON製DS-530は痒いところに手が届く良設計でかなり気に入っているのですが、カラースキャンでモアレ(しましま)が目立つという欠点があります。

エプソン スキャナー DS-530 (シートフィード/A4両面)

エプソン スキャナー DS-530 (シートフィード/A4両面)

  • 発売日: 2016/07/29
  • メディア: オフィス用品
 

 クリックするとAmazon商品ページ 

 

この対策として、高解像度でスキャンしてから、Bicubic補間を使用して解像度を下げる方法が有用です。

 

①600dpiカラースキャンする(モアレ目立つ)。

②Set_Resolutionマクロで、解像度を300-400dpi程度のピクセルサイズまで落とす。

 

これにより、モアレが目立たないカラーデータが出来上がります。

 

ちなみに、DS-530の「モアレ除去」機能は、内部的にどんな処理をかけているのかわかりませんが、スムージングが強く、文字がぼやけるのであまりオススメしません。

 

 

マクロの起動方法

①ImageJ上部タブの[Plugins]→[New]→[Macro]で起動したエディタに、記事の一番上のコードをコピペしてtxtファイル(Set_Resolution.txt)を作成・保存する。

 

②保存したファイルをImageJフォルダ内の[plugins]フォルダにしまう。

 

このとき、[plugins]フォルダの中に新たに適当な名前のフォルダを作って、その中にしまってもOKです。ここでは仮に「自炊」というフォルダにtxtファイルを突っ込んだとします。

 

③一度ImageJを再起動すると、マクロがインストールされ、起動準備OK。

 

④上部タブ[Plugins]→[自炊]→[Set Resolution]でマクロが実行されます。

 

 

imagej-jisui.hatenablog.com

 

注意

ImageJはPDFファイルをサポートしていないので、PDFで自炊している方はあらかじめ全てのファイルをJPGに直しておいて下さい!

 

Macの方はデフォルトでインストールされている「Automator」を使用するとJPGに直すことが出来ます。

imagej-jisui.hatenablog.com

 

 

 

 

ライセンスなんかは一切無いので、ぜひぜひ自由に使ってみてください!

 

imagej-jisui.hatenablog.com