フルカラー本を自炊すると「縦線ノイズ」がびっしり出た!なんて経験はありませんか?
今回の記事は「カラー自炊したら縦線びっしり」の回避方法についてです。
私はゲームなどの設定資料集やアメコミを読むのが好きなのでわりと頻繁にカラー自炊するのですが、この縦線ノイズにはかなり悩まされました。スキャナの読み取り面を清掃しても次のページですぐに再発なんてこともよくありますよね。
本ブログでは「縦線ノイズ除去マクロ」なんかも紹介していますが、残念ながらこのマクロはカラーページには対応していないので使えません。
しかもカラーページって、いつもの白黒ページ自炊よりも縦線の発生頻度が高い気がしませんか?
ということで調べてみると、
「カラーページの縦線ノイズ多発」には意外な原因があることに気が付きました。
カラーページ縦線の原因
本を印刷する際、ページとページがインクでくっつくのを防ぐために、ページに「お粉」が散布されているようです。
以下の印刷会社様のページによると、印刷機から印刷・排出されると同時に紙面上に細か〜いお粉をシャワーのようにふりかけているということです。ゲーム攻略本なんかを見ていると「手がサラサラしてくるなぁ」と感じるアレがそのお粉なんだと考えられます。
カラー本だけでなく白黒本にもお粉が散布されているようですが、価格がお高めなカラー本でお粉の量が多いようです。実感としても攻略本やアメコミ、画集などでサラサラ感が強いように感じます。黒や濃紺などの濃い色が多く使われているページだと特に。
参考ページ
https://www.ddc.co.jp/words/archives/20080627094000.html
https://www.ko-sin.co.jp/index/indexblog40.htm
というわけでどうやら、ページ自体に「目には見えづらいお粉」がくっついているせいで「お粉がスキャン読み取り面に付着し、縦線ノイズを発生させる」というのが、カラーページ縦線多発の真相なんだと思います。
その原因をどうやって取り除くか?
ページ自体に粉が付いているので、いくら読み取り面を清掃しても「後続のお粉」が次々にやってくるのでお粉に対しては無意味です。
ではどうするか?簡単です。
ページ自体を清掃します。
こういうことです。
クイックルワイパーのシートを手に持って、ひたすら一枚一枚サササッと拭いていきます。ゴシゴシじゃなく、サササッで十分です。
裁断前の状態で、左手で本を開きながら支えて、右手でサササッ(右利きの場合)が良いと思います。
右ページ拭いて、左ページ拭いて、左手親指から1ページだけリリースして、右ページ吹いて左ページ拭いて。拭く!ひたすら拭く!
地味な作業なんですが、慣れてくるとそこまで辛くないし確実に効果が出るはずです。効果は下の方に画像でも載せています。
クイックルワイパーはウェットではなくドライタイプです。100均のものだとなかなか絡み取ってくれないので、やはりクイックルワイパーが安心。
ページ数によりますが、200ページ程度であれば1冊10分ぐらいで全ページ拭けると思います。
お粉拭き取りの効果
今回のサンプル資料は「真・女神転生のすべて 悪魔復活編」です。
故・成沢大輔氏の関わったメガテン本はやはりデータとして永久に残しておきたいものですね。
お粉拭き取り前
お粉拭き取り後
縦線軽減のための努力
カラー本の自炊は上記の全ページ拭き拭き法に加えて、
① 600dpiスキャン後、300〜400dpiにリサイズ(モアレ回避)
② 裏向きスキャン統合法(2回スキャン)で、拭き取りきれなかったお粉による縦線ノイズの発生確率を低減
③ 定番の「スキャナ読み取り面のメガネ拭き清掃 」を原稿セットごとに実施
この3つも併用していますので、それなりに時間をかけてスキャンしています。
これらの努力によって、「縦線ノイズ発生画像チェック」と「永遠に続く再スキャン」の苦しみから解脱し、快適なカラー自炊生活を達成できます。
「時間・手間」と「データの質」のバランスは難しいところではあるんですが、出来上がったデータが綺麗なのはやっぱり嬉しいんだなぁ。
おしまい
・公開した記事のまとめです!