自炊のスキャン設定はなかなか難しいもので、日々迷ってしまいますよね。
これだ!と思っても数日後には気が変わってまた前に戻ったり、、、
そんな移り気な私が最近よく使っているのは
です。
何故PNGなのか、以下でちょっとだけ細かく説明していきます。
もくじ
- PDFは画像処理しづらい
- JPEGといえばモスキートノイズ
- JPEGは保存を繰り返すたびに劣化する
- PNGではモスキートノイズと保存による劣化が発生しない
- ファイル形式まとめ
- おまけ : 解像度について
- さいごに : 2020年版 使っているスキャン設定まとめ
PDFは画像処理しづらい
自炊の拡張子といえばとりあえずPDF!という方も多いのではないでしょうか。
私も自炊を始めてしばらくの間、当然のようにPDFを使っていましたし、わりと満足もしていました。しかし最近では漫画自炊には全く使っていません。
私の思うPDFのメリット・デメリットはこんな感じ。
OCRを使いたい場合はpdfにする必要がありますが、残念ながら少なくとも漫画コミック自炊においてはメリットはほぼ無いと思います。
しかも、このブログで紹介している画像処理ソフトImageJは、そもそもpdfを扱うことが出来ません。
ということで、pdfはあまりオススメできません、、、
JPEGといえばモスキートノイズ
JPEGは圧縮効率が高く、容量を大幅にカット出来るのが売りですが、少し無茶をした圧縮アルゴリズムを使っているため、文字などの周りに蚊がたかっているようなノイズが出てきます。
画像引用:カツヲ, 三ツ星カラーズ, 単行本第6巻, 112ページ, KADOKAWA(アスキーメディアワークス), 2018
これは圧縮効率を高くする、つまり品質を低くすると目立つみたいです。
個人的には、漫画自炊でJPEGを使う場合は、モスキートノイズが許容できて容量もそれなりに小さくできるレベルとして、品質90が好み。
Googleでも一般的なJPEGの品質ボーダーラインとして85を推奨しているようなので、それよりはちょっとだけ高品質、にしてるつもり。
あまり品質を高くしすぎると、急激に容量が大きくなるわりに画質はほとんど良くならないみたいなので要注意です。
画像引用:カツヲ, 三ツ星カラーズ, 単行本第6巻, 112ページ, KADOKAWA(アスキーメディアワークス), 2018
JPEGは保存を繰り返すたびに劣化する
注意しなければいけないのは、JPGのアルゴリズムが非可逆圧縮であるという点です。
詳しいことはさておき、非可逆圧縮で何が困るかというと
保存を繰り返すと画質が劣化していく
ということです。
何も手を加えなくても、名前をつけて保存や上書き保存すると、その度に画像が劣化します。
縮小や回転など、画像になにかしらの処理を加えてから保存すると劣化はより進むようです。
ですので、このブログで紹介しているような画像処理を用いて、解像度を変えたりコントラストを変えたりすると、画像は劣化していきます、、、
1回や2回程度ではほぼ見た目に違いはありませんが、差分を取ってみると違いがわかります。
画像引用:カツヲ, 三ツ星カラーズ, 単行本第6巻, 112ページ, KADOKAWA(アスキーメディアワークス), 2018
PNGではモスキートノイズと保存による劣化が発生しない
PNGは可逆圧縮のアルゴリズムなので、モスキートノイズや保存繰り返しによる劣化が全くありません。
ただし、圧縮効率が悪いので、JPEGに比較してファイルサイズが大きくなってしまいます。
例えば300dpiでフォーマットPNGの場合、コミック一冊 300MB程度になります。
ちなみに、このブログで紹介しているプログラムを、PNG出力に変えたい場合は
newname = title+".jpg";
saveAs("Jpeg", saveDir+newname);
を
newname = title+".png";
saveAs("PNG", saveDir+newname);
に変えるだけでOKです。
ファイル形式まとめ
画質はそれなりに良い方が良いけど、画像処理はそこまでかけないつもり。容量もある程度節約したい。って場合
→ JPEG(品質90)
画質はとことんこだわりたいし、画像処理もバンバンかける。容量が大きくなっても我慢できる。って場合
→ PNG
おまけ : 解像度について
せっかくなので解像度についても。
漫画コミックに必要な解像度は最低300dpiと言われているようです。
拡大をしない場合はこれでも良いのですが、300dpiだとスクリーントーンのドット柄は潰れてしまいます。
600dpiだとさすがに綺麗ですが、容量がやたらとデカくなる上に、タブレットの表示解像度が負けてしまって逆に表示画質が悪くなります。
なので私は
400dpiをおすすめ
します。
画像引用:福田晋一, その着せ替え人形は恋をする, 単行本第1巻, 16ページ, スクウェア・エニックス, 2018
400dpiのPNGだとコミック一冊500MB程度です。
結構かさばる。
でも画像処理→保存で劣化することはないし、将来的にタブレット解像度が向上して600dpiが欲しくなったとしても、ImageJで解像度を600dpi相当まで上げれば問題無し!って感じで我慢してます。良くも悪くも妥協が肝心ということでしょうか。
さいごに : 2020年版 使っているスキャン設定まとめ
◉ 大事な漫画。おじいちゃんおばあちゃんになってもずっと読みたい!なやつ
→ 400dpiのPNG
◉ 普通に好きだし、今後も何回か読むだろうな、って漫画
→ 300dpiのPNG
(画像処理バンバンかけないなら400dpiのJPEG(90) の方が画質良い。ここは迷いどころ)
◉ たぶん一回読めば満足だし、パパッとスキャンも終わらせたい!なやつ
→ 300dpiのJPEG(90)
◉ 文字だけの文庫本
→ 400dpiのJPEG(90)
(拡大して文字をジッとみるわけではないからJPGで十分。文庫本サイズは300dpiだと物足りない。ついでに言うと、文庫本サイズの漫画は600dpi取り込みしたものを450dpiにリサイズが好み。)
◉ アメコミとか画集のような大判フルカラーの本
→ 300dpiのJPEG(90)
(PNGだとさすがに容量デカすぎる。モアレ除去のために600dpiスキャンをリサイズ。大判サイズは400dpiだとタブレット表示解像度が負ける)
おしまい
上記の「解像度変更」や「縦線ノイズの除去」など、様々な処理を紹介しています。興味がある方は以下のリンクからどうぞ!